ねるねる煉獄

自慰文らしく生きようね

2016-07-04から1日間の記事一覧

梅雨がこんなんやったらよかったなという話

濡れた傘を愛のしるしと思った。雨のにおいは世界のかおりをかき消すけれど、傘の内側は世界から断絶されていたから、僕の鼻腔に触れるのは甘ったるい柔軟剤だけだった。僕たち二人だけが、今、世界にいないのだった。水たまりを避けようと右に寄れば、彼女…