ねるねる煉獄

自慰文らしく生きようね

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

四月某日 自己紹介をしていた

私が大学に入学し、あくせく苦なくも汗かいて、「人間のお友達作り」に奔走していたのが四月でした。春が来たかと思えばそれは花粉を撒き散らしただけだったりして、すごく不毛なシベリア春だったのですが、その折ある授業である課題が出ました。それは「自…

梅雨がこんなんやったらよかったなという話

濡れた傘を愛のしるしと思った。雨のにおいは世界のかおりをかき消すけれど、傘の内側は世界から断絶されていたから、僕の鼻腔に触れるのは甘ったるい柔軟剤だけだった。僕たち二人だけが、今、世界にいないのだった。水たまりを避けようと右に寄れば、彼女…